ブランド

岡 康道・吉田 望著

TUGBOATという広告業界では第一線のクリエイター集団がある。彼らは、仕事柄、多種多様なクライアントにも会っている。すると、自然と、クライアントを評価できる目が肥えていくわけだ。

すると、見えてくるのは、ダメなクライアントの例だ。それを病と呼び、症例をあげて語っている。たとえば、「経営者が関わらない病」「方針が頻繁に変わる病」「みんなに好かれたいという病」「あれも言いたい、これも言いたい、病」「ブームに乗りたがる病」などなど。耳の痛い人もいるだろう。

以上は、クライアントのダメな点だ。制作側にもダメな例がある。「社内競合という病」「丸投げという病」「効率を考えるが効果を考えない病」「競争相手を意識しすぎる病」など。

このような、 一見当たり前と見えるのに、なぜかダメダメな事柄は、実は、CM業界だけの話ではないと感じた。私たちのデジタルコンテンツ業界でもほとんどが当てはまる。

つまり、この本は、タイトルこそ「ブランド」だが、実は、ブランドのことは本筋ではない。主役はクリエイターとしての彼らであり、クリエイティブとは、クリエイターとはなにか?という本質について、語りあっているのだ。そして、この本は、問題をいっしょに考えようといっているのだ。答えはない。いわば、その機会を与えてくれているに過ぎない。

そして、その答えは、彼らにも漠然としかわからないからこそ、最後の1行があるのかもしれない。クリエイターに仕事を依頼する人、クリエイターを使う人は、この本は読むべきだろう。

(2003.03.08 NORI)