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ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
作:カート・ヴォネガットJr.
/ 訳:浅倉 久志
ハヤカワ文庫SF / \464 / ISBN: 4150104646
「愛は負けても親切は勝つ」というキャッチフレーズでおなじみの作品。長編では比較的初期の作品である。なぜかヴォネガット作品には消防団がよくでてくるが、「消防士」はアメリカ人のステイタスなのかもしれない。
この作品は、エリオット・ローズウォーターという大富豪が主人公である。エリオットは、「スローターハウス5」や「チャンピオンたちの朝食」にも登場してくる、ヴォネガット作品のサブレギュラーのキャラクターだ。ブルース・ウィリス主演の映画「ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ」で、実写になったエリオットが見られる。結構合ってたと思う。
肝心のストーリーだが、金で何でも解決できると信じてやまない、アメリカ社会を皮肉った作品である。けれど、わたしとしては、作品中のとても美しいフレーズが気になっている。エリオットが、生まれたての赤ちゃんに捧げている言葉なんだけど、ぜひとも本文でそれを確かめてほしい。皮肉屋さんで、未来をとても悲観視してるヴォネガットが、作品中で時折みせる、優しくて暖かなまなざし。それを随所に感じ取ることができる作品だと思う。ヴォネガット入門としてオススメの一冊。(YOUCHAN)
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